志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

党の会議での報告

2023年8月4日(金)

全国都道府県委員長会議

志位委員長の中間発言


 日本共産党の全国都道府県委員長会議で、志位和夫委員長が2日行った中間発言は次のとおりです。


写真

(写真)発言する志位和夫委員長=2日、党本部

 討論は、全体として積極的な討論が続いていると思いますが、ここでギアチェンジをはかって、いま一歩、討論を深めていく必要があるのではと思って発言をいたします。

この8月、「大運動」の“質”を全党員・全支部の運動に変えていこう

 小池本部長の報告でのべた今度の常任幹部会の提起の中心点はどこにあるのか。

 7月は、「大運動」の最初の月でした。ですから7月は、この最初の月に8中総決定の徹底をすすめながら、まったく止まってしまっていた党勢拡大を何としても前に動かすというところに大きな力を注いできたわけであります。その到達点の評価は本当の第一歩ですが、全党の努力によって前向きの変化をつくったということが言える。これが7月の到達点だと思います。

 ただ、8月は、私たちの活動を“質”的に変えていかなければならない、というのが常任幹部会の問題提起であります。すなわち、「大運動」の運動の“質”を、全党員・全支部の運動にしていくのがこの8月なのだということが、私たちの提起であります。

 8月に、そういう運動へと運動の“質”を変えることができれば、8月の大きな前進も可能になってくるし、9月の大飛躍につながっていく8月にもなるわけです。何よりも大会時の回復・突破という「最初のハードル」を越える大きな流れをつくる8月にもなるわけです。そういう8月にしようというのが常任幹部会の提起であります。

8中総決定の全党員読了――「大きな弱点」を打開し、全党員運動の土台をつくろう

 まず、全党員の運動にしていくという点では、8中総決定の全党員の読了と全支部討議――これを文字通りやりぬこうじゃないかという提起をしました。

 8中総では、この決定は「党の命運がかかった決定」と確認しました。その決定を全党員が読了できるかどうかは、まさに「命運」がかかっている問題であります。この間、激しい党攻撃がやられています。党内の一部にもいろいろな疑問もあります。攻撃に対して全面的な回答を突きつけ、疑問に対して全面的な解明を行ったのが8中総決定です。ですからこれを身につけることができるかどうかというのは、今の情勢のなかで、党員のみなさんが元気をもって、確信をもって、ワクワクして、明るい気持ちで、情勢に立ち向かえるかどうかの本当の土台となってきます。

 ところがその土台が、現状で22・6%しか読了できていない。これを報告では、「大きな弱点」だと提起をいたしました。この「大きな弱点」というのは、中央の活動も含めて「弱点」だと、私たちの自己反省も込めていったものであります。最優先してとりくむべき8中総決定の全党員の読了に執念をもってとりくんできたかというと、中央の活動にも弱さがあった。それも含めて「大きな弱点」とのべました。

 全党員の8中総の読了という問題について、これまでのところ発言のなかであまりその現状と問題点、打開についての発言がされていないんですけども、これは私たち中央の弱点であるとともに、全党の弱点でもある。この「大きな弱点」を、必ず8月中に打開して、文字通りの全党員運動にしていく土台をつくる月にする必要があると思うんです。

 その要になる問題としては、報告でも言ったように、一つは、党攻撃を前進の力に転化させるという政治的な核心部分をみんなのものにすることです。もう一つは、『日本共産党の百年』史を新たな推進力にしていくことです。こういう力も総動員しながら、この「命運」がかかった決定を本当に全党員のものにする月にしなくてはなりません。ここをぜひ深めていただきたいと思います。

党勢拡大をいかにして全支部の運動にしていくか――率直な議論を

 もう一つの問題として、報告では、党勢拡大を文字通りの全支部運動にしていこう、という提起をいたしました。

 党勢拡大について、7月に一定の前向きの変化をつくったといっても、党員拡大の働きかけに踏み出した支部は、全党的には15%です。読者拡大で成果をあげた支部は2割から3割です。まだほんの一部の支部の運動にとどまっているわけです。8月は、この現状を変えていく、「大運動」を文字通り全支部の運動にしていく月にしようではないかということが、常任幹部会の提起であります。

 具体的には、まず党員拡大についていえば、文字通りすべての支部が、入党の働きかけに踏み出すことです。そして、文字通りすべての支部が、新しい同志を迎えることを目指すことであります。これを目標に掲げて断固としてやりぬきたい。働きかけに踏み出すことは、意思さえあればできることですから、文字通り100%の支部が、8月には働きかけに踏み出す。そして、最大の支部、多くの支部が、新しい同志を迎える8月にしようじゃないかという呼びかけです。

 これは、とりくみの飛躍をつくりだそうという大きな提起であります。やりぬくことは容易ではありませんが、もしこれに成功するならば、7月に15%の支部の働きかけで641人の新しい入党者を迎えたわけでありますけれども、これが100%になれば、数倍の規模の運動になっていくわけです。それをやろうじゃないかという提起です。

 読者については、文字通りすべての支部が、読者を増やす月にしようじゃないかという提起です。これをやれば、月末に、「増か、減か」というような運動を繰り返すことにはなりません。はるかに大きな飛躍が可能になってきます。

 すべての支部の運動に、党員拡大も読者拡大もしていこう。ここにきょうの常任幹部会の新しい提起があります。これを、いかにして各都道府県でやっていくかと、どうやればできるかということについて、率直な議論をお願いしたいと思うのです。これをやり切るうえで、「ここが大事だと思う」、あるいは、「こういう点が欠けているから正していきたいと思う」、そういう問題をぜひ率直に議論していただきたい。

「手紙」と「返事」のとりくみを、8月に、文字通り全支部運動に発展させよう

 「大運動」を全支部運動にするうえで、きょうの報告で常任幹部会として一つ重要な提起をいたしました。それは、「手紙」と「返事」のとりくみを、文字通り8月に、これも全支部運動に発展させようではないかという提起です。

 長期にわたる党勢の後退傾向を打開できていないことは、わが党の活動の最大の弱点となっていますが、それでは努力を怠ってきたかというと、そんなことはありません。中央としても、全国のみなさんも、ずっと党勢拡大に大きな力をそそいできました。

 『百年』史には、節々での党建設のとりくみの努力も明記してありますが、『百年』史をまとめてきて、決して努力を怠ってきたわけではない、いろいろな手だてをとってきたということを、あらためて感じます。みなさんもそうだと思う。私たちもそうです。いろいろと知恵も絞ってきた。努力もしてきた。しかしなかなか前進に転ずることができていない。それではどうするか。

 そこを7中総で、私たちは一つの決断をしました。1950年代末から60年代に先人たちが党をつくってきた原点に戻ろうじゃないか。それを今日に生かそうではないか。つまり支部の自発性や創意性に徹底的に依拠して、その力を信頼して、支部と一緒にこの事業をやりぬこうじゃないか。その点で私たちのとりくみ、中央委員会のとりくみがまだまだ弱かったという反省も込めて、7中総であの「手紙」を出したわけです。そして8中総でも、「手紙」と「返事」のとりくみの重要性をあれだけ強調しました。

 ところが、この「手紙」と「返事」のとりくみが、8中総を力に新しく返事を寄せてくれている支部も生まれていますけれども、率直にいって、目的意識性が弱くなっている。自覚的に、ここに力を入れて前進させようという努力が弱くなっている。もっと率直に言えば、多くの党組織で自然成長性にまかされている。中央も弱くなっているし、全国のとりくみも弱くなっている。こういう現状がある。これだけ力を入れて始めたのに、このままではこの運動が中途半端なままで終わってしまう。これでは未来が開けてきません。

 こういう現状を直視し、変えていこう。8月中にすべての支部に「返事」を寄せてもらおう。「返事」を寄せてくれた支部は、その中身を一緒になって実践しよう。困難を一緒になって打開しよう。ここを徹底的にやりぬくことで、全支部運動にしていこうじゃないかということを呼びかけたのが、常任幹部会の提起であります。

 どうしてもここで党勢を前進に転じないと、当面する政治任務を果たせない。綱領路線の実現もない。そして何よりも党の未来がない。そこまで思いを定めて「手紙」を送ったわけですから、絶対に中途半端にしないで、これを生かしに生かして全支部運動をつくりだしていく。このことを報告では提起したのですが、率直に言って、これまでのところその議論があまりないのです。弱ければ弱いで、どうこれを強めるか、全支部運動にしていく決意を語っていただきたいと思うのです。

 いかにして全党員運動、全支部運動にしていくか。これを腹を割って議論しようじゃないですか。本当にこれがやれるというところまで、この会議で議論を深めないといけない。だいたいこれまでやってきたようなことを、もう少し頑張ってやろう、これでは「130%の党」はつくれません。発言でも、この間の前進の教訓とともに、いかにして8月、全党員運動、全支部運動にしていくか、どうやって「大運動」を“質”の面でギアチェンジしていくか。そのための率直な議論をお願いしたいと思うんです。

機関とその長の自己分析と決意・構えが決定的――中央も深く学んで提起した

 最後に、いまのべたことをやるうえでは機関とその長の自己分析と決意・構えが決定的だというのが、この会議の要の問題です。そのために福岡県の内田委員長には特別発言をしていただきました。たいへん深い感動をもって私は聞きました。

 あの発言で明確にされましたが、どこから福岡の前進が始まったか。これは福岡西部地区の地区委員長の決意から始まったのです。地区委員長が、8中総の一番の政治的中心点をズバリ語った――支配勢力が党の綱領・規約・党指導部など「心臓部」に切り込んでいるときに、これを党勢拡大ではね返すんだ、つまり党勢拡大こそ階級闘争の焦点なのだと、ズバリ8中総の核心を熱く語ったわけです。

 そのうえでもう一つ大事なのは、地区委員長が断固たる提起をしたわけです。「130%の党」づくりをやっていくためには、「毎月8割の支部が入党者を迎える。毎月37人の党員拡大が求められている。みなさんよろしいですか」と提起したわけです。私は、この気迫と胆力は、すごいと思います。ここから始まっていったわけです。

 私たちもそういう姿勢で頑張らなければいけないと思うのです。みなさんもそうだと思うのです。そういう福岡西部の地区委員長のような立場で、正面から提起しているのかというと、多くはまだしているとはいえない。

 きょう、常任幹部会として、「大運動」を全党員、全支部の運動にしようと提起したのも、まさに福岡西部の地区委員長のこの姿勢に学んでのことであります。地区委員長が地区委員会で「毎月8割の支部が入党者を迎える」、これをバーンと提起した。すごいことです。今度の常任幹部会の提起は、8月に全支部が入党の働きかけをやる。そして最大の支部が迎え入れるという提起であります。これは福岡西部の地区委員長の姿勢に学んでのものなんです。

 私は、すごいイニシアチブだと思います。「毎月8割の支部が成果をあげる。どうですか」と言って、そこから張りつめた議論が始まった。「難しい」と言った人も軽い気持ちじゃなくて、本当に真剣にとらえて、手をあげて意見を言った。それに対して率直な議論にもなって、決意が固まっていった。

 すべては長の姿勢から始まっていったわけです。それに比べてどうか、ということがいま問われているんです。ですからぜひ、そういうことも含めて、この会議はせっかく2日間やるわけですから、2日間やっただけのことはあるという会議にぜひともしたいと思っておりまして、討論では、率直な自己分析の発言もありますが、率直に言って自己分析が足りないと言わなければならない発言もあります。ですから、ここでもう一段ギアチェンジをした討論をお願いしたいと思いまして、発言をいたしました。ぜひ、真剣で率直な討論で深めていただきたいと思います。