志位和夫 日本共産党

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主な活動

2023年11月19日(日)

若者タウンミーティングWITH志位和夫 Q&A


写真

(写真)参加の青年からの質問に答える志位和夫委員長(右)=18日、党本部

 18日に開かれた「若者タウンミーティング WITH 志位和夫」での質疑応答は以下の通りです。

ストップジェノサイドの声を広げよう

 ガザで起きていることに胸が痛みます。どうすればやめさせられるのでしょうか。私たちに何ができるのでしょうか?

 志位氏は、イスラエルによる難民キャンプや病院などへの攻撃で、これまでに1万1000人以上、4割の子どもが犠牲になり、「規模と残虐さからみてジェノサイド条約が禁止しているジェノサイド(大量殺害)そのものです」と批判しました。

 ハマスが無差別攻撃を行い人質をとっていることも許せない?

パネル

 志位氏は、「民間人を無差別に殺傷することは国際法違反と強く非難し人質の解放を求めています」と回答。同時にイスラエルが1967年以来、ヨルダン川西岸とガザを占領下に置き、入植地拡大やガザへの封鎖政策という国連憲章、国際法に背く行為を続けてきた歴史的背景を解明。イスラエルの占領地からの撤退、パレスチナ国家の樹立、互いに生存権を認めあうという原則こそ解決の道だと述べました。

 どうしたら命を救い、平和をつくることができる?

 「ジェノサイドを許さない圧倒的な国際世論をつくることです」―。こう述べた志位氏は、日本共産党が「ガザ攻撃即時停止」「即時停戦のための交渉」をよびかける声明(パネル)を発表し、国際機関、各国政府に要請していることを話しました。さらに、人道的休戦を求めた国連総会決議や「人道的(戦闘)中断」を要求する国連安保理決議が採択されたことを紹介し、「ストップジェノサイド」「子どもたちを殺すな」の声を広げることをよびかけました。

外交の力で平和友好の関係をつくる

 中国が軍事力を強めていますが、これに対抗する手段をもたなくて大丈夫でしょうか。中国と仲良くやっていくことはできるのでしょうか?

パネル

 志位氏は、「日米同盟の抑止力が平和を守る」と政府は主張するが、「抑止」とは「恐怖によって思いとどまらせる」ことだと述べ「抑止力で平和をつくるのは幻想です」と断言しました。

 外交の重要性を説いた志位氏は、中国に対しても外交の力で平和友好の関係をつくっていくとして、「日中両国関係の前向きの打開のための提言」を今年3月に発表したことを紹介。▽2008年の日中首脳会談の共同声明にある「互いの脅威とならない」▽14年の日中合意にある尖閣諸島等東シナ海の緊張状態を「対話と協議」で解決する、▽「ASEANインド太平洋構想」(AOIP)に日中双方とも賛意している―ことを「共通の土台」にした真剣な外交によって事態を前向きに打開することこそ平和をつくる道と強調しました。

 「提言」の3項目目にもありますが、共産党がASEAN提唱のAOIP(パネル)を重視していることについて「もう少し知りたい」という声があります。

 志位氏は、年1000回におよぶ話し合い等で、半世紀かけ平和の共同体に変えたASEAN(東南アジア諸国連合)が、加盟10カ国に日本、中国、米国も含む8カ国を加えた東アジアサミットを発展させ、東アジア全体をASEANのような平和な地域するAOIPを進めていると紹介。日本共産党がこの動きを前に進める「外交ビジョン」を提唱し、内外で実現のために力をつくしていると語りました。

学費

「二重の苦難」解決を

 学費があまりに高すぎます。給料が安すぎます。どうやったらこんな社会を変えられるのでしょうか?

パネル

 志位氏は、日本の若者は「学費が高すぎ、奨学金が貧しすぎる」「賃金が上がらない」という「二重の苦難」にあっていると告発しました。

 OECD(経済協力開発機構)加盟国の大学授業料と公的補助(奨学金)を比較したパネルを紹介。欧州のほとんどの国が「低授業料・高補助」か「低授業料・低補助」、「低授業料」の国の多くは学費無償です。一方、日本の若者の奨学金の借金は30年間で7倍の10兆円。志位氏は、「こんな政治がまともな政治といえるか」と問いかけ、学費無償、入学金廃止、給付型奨学金等の党の政策を語りました。

 志位氏は最低賃金の国際比較も示し日本は、1004円(全国加重平均)と格段に低く、実質賃金は1996年をピークに年64万円も減ったと指摘。大企業の内部留保増加分に時限的課税をし税収10兆円で中小企業支援にあて、「最賃を1500円にしよう」と語りました。

 日本の学費は高すぎ、給料は下がっているという話でしたが、なぜそんなことになってしまったのでしょうか?

 「どちらも財界の旗振りで起こっていることです」と志位氏。学費の「受益者負担主義」を打ち出した1971年の中央教育審議会の答申や、非正規雇用を急増させた1995年の日経連の提言を紹介。「財界の目先の利益最優先の国」というゆがみに正面からメスを入れる改革が必要だと強調しました。

ジェンダー平等

女性の世界史的復権の時代

 ジェンダー平等の問題を見ていると、本当に日本はひどいと思います。なぜこんなことになっているのでしょうか?

 志位氏は、男女の賃金格差や国会議員の女性比率の低さなどには、二つの政治的・歴史的根っこがあると指摘。

 一つは、明治の時期に強化された差別の構造です。“妻は夫に逆らうな”などの「徳目」を掲げた「教育勅語」をあげました。女性の参政権や政党加入も認められなかった戦前の時代に、男女同権、女性差別撤廃の旗を掲げて多くの女性党員が参加し、命がけで反戦平和の旗を掲げたのが日本共産党だったと紹介しました。

 もう一つは、戦後、財界主導でつくられた新しい差別の構造です。財界・大企業は「男は24時間、企業戦士として働くのが当たり前」「女は結婚したら退職し、一切の家事をやるのが当たり前」という価値観を押し付けたと指摘。「ジェンダー平等」の日本をつくるには一人ひとりの意識を変えていくと同時に、政治を変えるたたかいをと強調しました。

 「ジェンダー平等」に向けた大きなうねりのようなものを感じます。

 志位氏は、企業の男女賃金格差の公表や性暴力根絶にむけた刑法改正、選択的夫婦別姓を求める運動、LGBTQ+など多様な性を認め合う動き、ジェンダー平等世界一のアイスランドでの首相も参加した「女性のストライキ」の実施など日本と世界での「驚くような変化」を紹介。「『女性の世界史的復権』の時代がやってきた」と指摘。共産党が「ジェンダー平等の実現」を綱領に書き込んだことを紹介しました。

「人間の自由」こそ、社会主義・共産主義の目的・特質

 共産党がめざす社会主義・共産主義とはどんな社会なのでしょうか?

 志位氏は、第29回党大会決議案が社会主義・共産主義を「人間の自由」が「豊かに保障され、開花する社会」と明記していると語り、「人間の自由」を三つの角度から特徴づけました。

 一つは「『利潤第一主義』からの自由」です。「利潤第一主義」を原理とする資本主義のもと、空前の規模での貧富の格差の拡大、気候危機の深刻化が進んでいます。志位氏は「生産手段を資本から社会全体の手にうつすことで、生産の目的・動機が資本の利潤追求から社会と人間の発展に変わります」と語りました。

 二つは「人間の自由で全面的な発展」です。人間は誰でも素晴らしい可能性を持っており、すべての人に「自由な発展」を保障する社会をつくりたいと求め続けたのがマルクスとエンゲルスだと志位氏。「彼らが出した結論は労働時間の抜本的短縮にありました」として、誰もが十分な自由時間を持てれば、各人の能力の発展につながると説きました。

 ソ連、中国のようになるのではという心配にどう答えますか?

 志位氏は三つ目の角度である「発達した資本主義国の巨大な可能性」をあげました。ソ連・中国が自由のない社会になった要因に、出発点の遅れや指導者の誤りがあったことを強調。日本はどうか…。高度な生産力、自由と民主主義、人間の豊かな個性など、発達した資本主義を土台に先に進むことは、「人間の自由」という点でもはかりしれない豊かな可能性をつくりだしますと解明しました。

多数者革命と日本共産党の役割、民主集中制をどう考える

 どうして民主集中制をそこまで大事にしているのでしょうか?

 志位氏は、「この問いに対しては根本のところからお答えしたい」と前置きし、「社会進歩の事業のなかで日本共産党が果たすべき役割は何か」と問いかけました。

 日本共産党の綱領が、「社会の段階的発展」「多数者革命」「統一戦線」の三つの立場を一貫した方針としていることを紹介したうえで、話を進めました。

 多数者革命のなかで共産党は何をやるのか。なぜ共産党が必要なのでしょうか?

 志位氏は、「私たちは、社会の外部から日本社会を何か特定の方向にひっぱっていこうとしているのではありません」として、「民主主義革命でも社会主義的変革でも、それを進める主体となるのは主権者である国民自身です。国民の多数が自分たちを苦しめている根源と、その解決のためには何が必要かを理解し、日本の進むべき道を自覚してはじめて、『社会を変えよう』ということになります」と語りました。

 志位氏は、そのためには国民の多数が、自分の置かれている客観的立場を自覚し、日本の進むべき道を自覚することが必要になると強調。こうした国民の「自覚と成長」は自然にはすすまないとして、「不屈性と先見性を発揮して、国民の自覚と成長を推進し、支配勢力の妨害や抵抗とたたかい、革命の事業に多数者を結集する。ここにこそ日本共産党の役割があります」と力を込めました。

 そういう役割を果たすことと、民主集中制との関係はどうなるのでしょうか?

 その仕事をやるためには、妨害や抵抗とたたかうことなど根気強い仕事が必要で、「バラバラの党でそういう仕事ができるでしょうか」と志位氏。民主集中制とは、民主的な討論で方針を決め、みんなで実行すること。「民主集中制をとっていることは、多数者革命を推進する日本国民への責任、社会進歩への責任です」と力を込めました。

 「異論を許さない党」といって民主集中制を放棄せよという議論もあります

 志位氏は、「『異論を許さない』というのは事実と違います。規約にのっとって自由に意見を言う権利はすべての党員にしっかり保障されています」と述べ、「共産党を封じ込め、つぶそうとしている勢力を喜ばせるようなことはしません」とのべました。

日本の政治は「夜明け前」。日本共産党躍進で「夜明け」を開こう

 志位さんは、書記局長、委員長として33年間がんばってこられましたが、ズバリ日本は変えられると思いますか?

パネル

 志位氏は「変えられる。今こそ変えるときだというのが実感です」とズバリ。自身が書記局長に就任した1990年は、東欧・ソ連の旧体制の崩壊と中国・天安門事件、国会運営等での「日本共産党を除く」という壁の「二重の大逆風」の真っただ中だった経験を語りました。

 今はどうか。志位氏は「資本主義ではやっていけないのでは」との声が世界で広がり(4カ国世論調査、パネル)、「社会主義の復権」の新しい流れが生まれていること、「市民と野党の共闘」が成果をあげ「日本共産党を除く」壁が大きく崩れている事実を提示。「33年間で着実に、歴史は大きく前に動いています」と思いを込めて語りました。

 33年間で自民党の方はどうなったと感じていますか?

 志位氏は、歴代の18人の首相や幹事長との論戦を振り返り、「今の自民党は、かつての自民党がもっていた活力を失ってしまっています」と指摘。安倍晋三首相時代には冷静で論理的な議論がなくなり、岸田文雄首相に至っては、「保身と延命」だけしかないとバッサリ。「自民党政治そのものの行き詰まりが極まった姿です」と強調しました。

 最後に、日本の政治は大局的には「夜明け前」だと述べた志位氏。「自然には『夜明け』にはなりません。国民の世論と運動、そして日本共産党を躍進させていただいて『夜明け』を開きましょう」とよびかけました。

日本の教育・共闘・緊張解消どうしている

 18日に開かれた「若者タウンミーティングwith志位和夫」では、事前に寄せられた質問以外に会場からも多彩な質問があがりました。

 日本の教育ってどう思いますか――。

 志位氏は「異常な競争教育、これこそが日本の子どもを傷つける一番の根っこにあります」とずばり。

 競争で子どもに「できる子」「できない子」と順番をつけるのは一番反教育的だとし、「下のランクの子は傷つきます。上の子は『もっと頑張らなきゃならない』と追い立てられ、みんなが傷つくのが競争教育です」と指摘し、競争でふるい分けるという考えを根本から正すことが大事だと強調しました。

 志位氏は、教員だった父が「分かる」と「できる」は違うと話していたことを紹介。教育の使命は「できる子」を増やすことではなく、「分かる喜び」を子どもたちに伝えることだと力説。「全国いっせい学力テストを全員にやらせて学校や子どもをランク付けするやり方は金輪際やめるべきです」と訴えました。

 市民と野党の共闘はどうなりますか――。

 志位氏は「市民と野党の共闘の再構築のために可能な努力をはらうことを第29回党大会決議案の中に書きました」と紹介。困難も逆流もあるとしながら「次の選挙では、日本共産党自身が躍進することを最優先にします。これをやることが共闘再構築の一番の力になる」と語りました。

 緊張するのを解消するには――。

 志位氏は、国会質問を引き合いにし、自分の質問は苦しんでいる国民を代弁している、自分は一人ではなく多くの人の代表として質問に立っているんだと思っていると語り、「自分のやっていることに深い所から自信を持つことが大切ではないでしょうか」と語りました。