志位和夫 日本共産党

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主な活動

2023年11月14日(火)

強く大きな党をつくり 日本の“夜明け”を開こう

日本共産党が10中総開く

第29回大会決議案を提案


 日本共産党は13日、党本部で第10回中央委員会総会を開きました。第29回党大会(来年1月15日~18日)に提案する諸議案の審議と、「党勢拡大・世代的継承の大運動」の目標をやり抜く意思統一をはかることが任務です。志位和夫委員長が幹部会を代表してあいさつし、「第29回党大会を、日本共産党の100年余の誇りある歴史を踏まえて、次の100年に向かう最初の大会として大成功させよう」と呼びかけました。田村智子副委員長が大会決議案の提案報告を、小池晃書記局長が「大運動」推進の訴えを行いました。総会は2日間の日程です。(志位委員長のあいさつ)(小池書記局長の訴え)

志位委員長あいさつ

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(写真)第10回中央委員会総会であいさつする志位和夫委員長=13日、党本部

 冒頭志位氏は、深刻な人道危機が起きているイスラエル・ガザ紛争に関わって、日本共産党として、声明「ガザでのジェノサイドを許すな――ガザ攻撃中止と即時停戦に向けての各国政府への要請」を発表し、各国政府と国際機関などに送付し、申し入れと懇談の活動を始めていると報告。「100年余の歴史を通じて、一貫して平和と人権を守り抜いてきた党として、ガザでのジェノサイドを止めるために、国内外であらゆる力を尽くす決意を総会の意思として確認しよう」と呼びかけました。

 「来たるべき第29回党大会は、日本と世界の進路にとって、また党の未来にとって、歴史的意義をもつ大会となる」―。志位氏は、第29回党大会の歴史的意義を、(1)第28回党大会で行った綱領の一部改定が、この4年間の情勢の激動のもとで、どういう生命力を発揮しているかを明らかにし、綱領にもとづく世界論、日本改革論、未来社会論をさらに豊かに発展させる大会、(2)「アメリカいいなり」「財界中心」という二つのゆがみをもつ自民党政治と国民との矛盾が極限に達していることを明らかにするとともに、このゆがみに正面からメスを入れる日本改革の展望を、綱領を土台にして太く指し示し、直面する総選挙の躍進をはじめ日本共産党の反転攻勢の狼煙(のろし)をあげていく大会、(3)長期にわたる党勢の後退傾向にピリオドを打ち、新しい党勢拡大の上げ潮へと転ずる、歴史的大会――という三つの角度から強調しました。

 その上で、「そうした歴史的大会にすることができるかどうかは、これから党大会までの2カ月間の『党勢拡大・世代的継承の大運動』にかかっている」と訴えました。全党の奮闘でつくってきた「前進をつくりだす足掛かり」として、(1)双方向・循環型の活動の発展(2)世代的継承の取り組みの意識化―の2点を指摘。大会に向けて大きく発展させることを呼びかけました。

 志位氏は、「大運動」の取り組みは現在進行形であり、大会決議案の党建設の章は、一部未完の章となっているとして、「『大運動』の到達と成果を踏まえてさらに充実させられることになるだろう」と訴え。来たるべき党大会の成功は、一にも二にも、「大運動」の成功にかかっていると強調し、「党大会を、新しい前進に転ずる歴史的大会とするよう、全力をあげて奮闘しよう」と呼びかけました。

田村副委員長が提案報告

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(写真)大会決議案の報告をする田村智子副委員長=13日、党本部

 田村副委員長は冒頭、5章19項からなる大会決議案の全体構成と各章の特徴について報告しました。

 第1章は、「国際情勢と改定綱領の生命力」です。田村氏は、国際情勢から入る理由について、戦争と平和をめぐる世界の大激動は日本の国内情勢に大きくかかわっており、第2章で記述する安全保障に関する問題でも、人権をめぐる問題でも国際情勢をどうとらえるのかを明確にしてこそ、日本共産党が国内で正確なたたかいを展開することができるからだと説明しました。

 田村氏は、第1章では、ロシアのウクライナ侵略戦争、イスラエルのガザ攻撃、軍事対軍事の悪循環という世界の逆流に、▽日本共産党が改定綱領を力にどのように対応してきたか▽大逆流に抗する世界の平和の流れ、世界の本流が、どのように発展しているか―を明らかにしていると述べました。

 第2章は、「自民党政治のゆきづまりと日本共産党の任務」です。田村氏は、岸田政権の支持率急落の根底には、自民党政治の深刻なゆきづまりがあると指摘しました。

 田村氏は、安全保障と外交では、敵基地攻撃能力の保有と大軍拡という「アメリカいいなり」「軍事一辺倒の政治」が日本の平和と国民の暮らしを危うくし、経済と暮らしでは「失われた30年」ともいわれる長期にわたる財界の利益最優先の政治が、経済停滞と暮らしの困難をもたらしていると指摘。これに対し、日本共産党の、東アジアに平和をつくる「外交ビジョン」、「経済再生プラン」という綱領路線にもとづいた改革提案が、「自民党政治のゆきづまりと鮮やかな対照をなし、多くの国民にとっての希望の道となっている。このことが全党の確信になるものだ」と強調し、来たるべき総選挙で自民党政治をもとから変える日本共産党を何としても躍進させようと訴えました。

 第3章は、「党建設―到達と今後の方針」です。田村氏は、「今大会期の党建設の評価は、大会までの全党の奮闘によって決まることになるが、前進の足掛かりとなる教訓、これを踏まえた強化点を示した」と語り、注目点として、冒頭の項「多数者革命と日本共産党の役割」を挙げました。

 田村氏は同項で、多数者の意思にもとづく社会の段階的発展という綱領の立場に立つ日本共産党の役割が、「多数者革命の実現のために、国民の多数者を結集する」ことにあることを明らかにしていると指摘。多数者結集のためには、民主主義と行動の統一―民主集中制が大切になることを太く明らかにし、日本共産党の根本的役割とのかかわりで強く大きな党をつくる意義を述べていると報告し、「この項でこうしたまとまった叙述を行ったことは、新しいことであり、党大会に向かう大運動にとっても大きな力になるものだ」と強調しました。

 第4章「世界資本主義の矛盾と科学的社会主義」は、日本共産党のめざす未来社会が、いよいよ輝く時代であることを示しています。

 田村氏は同章で、社会主義・共産主義の本来の目的・特質が「人間の自由」にあることを、(1)「利潤第一主義」からの自由(2)人間の自由で全面的な発展(3)発達した資本主義国での社会変革が「人間の自由」とのかかわりでも壮大な可能性をもつ―という三つの角度から特徴づけているとしました。

 第5章は、「1世紀の歴史に学び、新たな1世紀に向かおう」です。

 党史『日本共産党の百年』と、党創立100周年記念講演(2022年9月)、党創立101周年記念講演(23年9月)について田村氏は、「わが党の100年の歴史の積み重ねが綱領に息づき、今日、その生命力を発揮していること、100年の不屈のたたかいによって、わが党が鍛えられ成長していることを示した」と強調し、この核心を決議案に書き込んだとしました。

 田村氏は、「4章・5章は、いわばセットで、今日のわが党の歴史的到達点に立って、未来社会への豊かな展望、綱領、組織原則、歴史を広く国民に語り広げれば、強く大きな党をつくる道は必ず開けると高らかに宣言したものだ」と報告。「新たな1世紀に向けて、強く大きな党をつくる仕事に取り組み、日本の“夜明け”を開こう」と呼びかけました。

 このあと、田村氏は各章各項ごとに、新しい解明点や強調点などをより詳しく説明しました。

第29回党大会決議案(骨子)

第1章 国際情勢と改定綱領の生命力

(1)深刻な逆流に抗して

①ロシアのウクライナ侵略――「国連憲章を守れ」での団結こそ解決の道

②イスラエルのガザ攻撃の中止、即時停戦の合意を

③軍事対軍事の悪循環に反対し、包摂的な平和の枠組みを

(2)世界史の本流の発展――三つの分野で

①核兵器禁止条約の発効がもたらした変化――日本の進路が問われている

②平和の地域協力の流れの前進と、日本共産党の「外交ビジョン」

③人権問題の前進、奴隷制と植民地支配の歴史的責任を明らかにする流れ

④公正な世界を求める「グローバルサウス」に注目し、連携する

(3)中国にかかわる綱領上の規定の見直しを踏まえて――この4年間のとりくみ

①中国とどう向き合うか――前大会で確認した諸点をふまえて

②「日中両国関係の前向きの打開のための提言」について

(4)野党外交と国際連帯――ユーラシア大陸の全体に

①アジア政党国際会議――総会宣言に「ブロック政治を回避」が明記

②ヨーロッパ左翼・進歩諸党との新たな交流と連帯

第2章 自民党政治のゆきづまりと日本共産党の任務

(5)自公政権と国民との矛盾が極限に達している

(6)戦争の準備でなく、平和の準備を――「アメリカいいなり」からの脱却を

①アメリカいいなりの「戦争国家づくり」を許さない

②タガがはずれた「米軍基地国家」の異常――沖縄との連帯を訴える

③9条改憲を許さない――揺るぎない国民多数派をつくろう

④異常な対米従属をどうやって打破していくか――「二重のとりくみ」を貫く

(7)日本経済再生の道――「財界中心」の政治の転換を

①「失われた30年」――自民党政治がもたらした経済の停滞

②政治の責任で賃上げと待遇改善のための総合的改革にとりくむ

③格差をただし暮らしを守る税・財政の改革をすすめる

④気候危機打開・原発ゼロ、食料とエネルギー自給率向上――持続可能な経済への改革をすすめる

(8)人権後進国から先進国に――政治の責任が問われている

①ジェンダー平等実現へ――運動と連帯し、政府を追いつめよう

②子どもの権利が保障される日本に――子どもの権利条約の具体化・実施を

③あらゆる分野で人権が尊重をされる日本を

(9)国民運動と統一戦線の発展のために

①各分野の国民運動の新しい発展の流れ

②「市民と野党の共闘」の到達点と展望

(10)総選挙と地方選挙をたたかう方針について

①総選挙の歴史的意義と目標について

②どういう政治姿勢でたたかうか――二つの姿勢を堅持して

③総選挙躍進への独自のとりくみ――「三つの突破点」で新しいたたかいに挑戦

④地方選挙での前進と世代的継承のとりくみ

第3章 党建設――到達と今後の方針

(11)多数者革命と日本共産党の役割

①不屈性と先見性を発揮し、革命の事業に多数者を結集する

②民主集中制の組織原則を堅持し、発展させる

(12)第28回党大会・第二決議(党建設)にもとづく党づくりの到達点

(13)前大会以降の教訓をふまえた党建設の強化方向

①党員拡大の日常化――前大会以降の独自追求の教訓を生かして

②世代的継承を党づくりの目標・実践の中軸にすえ、全党あげてとりくもう

③今日における「しんぶん赤旗」中心の党活動の生命力と課題

④綱領、規約、党史、科学的社会主義の一大学習運動にとりくもう

⑤週1回の支部会議を確立しよう

⑥党費を根幹とする党財政の確立を

⑦三つのスローガンで、党機関の活動強化をはかろう

第4章 世界資本主義の矛盾と科学的社会主義

(14)世界資本主義の矛盾の深化と社会主義への期待の広がり

――空前の規模での格差拡大

――気候危機の深刻化

――社会主義への期待

(15)「人間の自由」こそ社会主義・共産主義の目的であり特質

――「利潤第一主義」からの自由

――人間の自由で全面的な発展

――発達した資本主義国の巨大な可能性

第5章 1世紀の歴史に学び、新たな1世紀に向かおう

(16)党史『日本共産党の百年』編纂の意義

(17)党史を貫く三つの特質――次の100年でさらに発展を

(18)迫害や攻撃とたたかい、自らを鍛え、成長をかちとった歴史

(19)党の歴史的発展段階と党建設の意義